コラム
筋トレに励んでおられる方は、どういった栄養素を意識されているでしょうか?真っ先にあがるのがタンパク質ではないでしょうか?もちろん、タンパク質の摂取は必要ですが、筋トレ効果を高めるのに大切な栄養素は他にもあります。どのような栄養素があるのか調べてみましょう。
筋肉は負荷がかかると筋繊維の一部が破断します。この部分は栄養と休養を与えることで修復されますが、以前より太くなって修復されるので結果的に筋肉は大きくなります。これを「超回復」と呼びますが、超回復を繰り返すことで筋力はアップします。
超回復により筋肉を修復するのに必要なのが、ここで取り上げる栄養素ですが、そのうち最も大事なのが筋肉そのものの主成分でもあるタンパク質です。
タンパク質が含まれている食品には肉類・魚類・卵類・大豆製品などがあります。これらは食事の時に摂ることができますが、脂質なども一緒に摂取することになり効率的には悪く、摂取量も多くなります。そのため、プロテインなどの栄養補助食品を使うことも効果的です。
プロテインはタンパク質の代名詞となっており、筋トレ後なら30分以内に摂取するのがよいとされています。
ビタミンDも筋トレにおいて重要な栄養素です。筋肉は超回復により以前より太くなりますが、この超回復を繰り返す筋トレによって筋繊維が肥大化する「筋肥大」を獲得できます。
ビタミンDにはカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに、筋肉の合成を促す作用があります。
ビタミンDは魚介類・きのこ類・卵類・乳製品などに多く含まれています。特に、しらす干し、干ししいたけ、サンマなどがおすすめです。
なお、ビタミンDは上のような食品だけでなく、日光浴によって皮膚からも作り出されることが知られています。食品と日光浴の両方でビタミンDを摂るようにして下さい。
筋トレでしっかりした筋肉をつけるのに、タンパク質をたっぷり摂る必要があることはよく知られています。しかし、やたらタンパク質だけを摂取していても筋トレ効果は期待できません。そこで必要になるのがビタミンB6です。
ビタミンB6にはタンパク質が代謝するのを助ける働きがあります。タンパク質がアミノ酸に分解し、さらに合成するのを助けてくれ、筋肉を作りやすくしてくれるのです。
ビタミンB6は筋トレ効果だけでなく、免疫機能を整えたり、皮膚の抵抗力を高めたり、といった働きもあります。
一般に、ビタミンB6は米にも含まれているので、普通に生活する分には不足する心配はありません。ただ、筋トレをしている方は、ビタミンB6を多く含む大豆・まぐろ・さけ・いわし・鶏肉・バナナ・にんにくなどの摂取を意識してください。
筋トレをするのに重要な栄養分としてはタンパク質があげられますが、実は糖質もその効果を高めるのに必要な栄養素になります。
筋肉を動かす際には、グリコーゲンという栄養成分が必要ですが、これはブドウ糖が複雑につながった多糖類になります。
即ち、糖質が不足することによって、筋力を動かす際のエネルギーが不足するので、かえってパフォーマンスが落ちて筋トレの効果を薄めます。
また、糖質が不足した場合、栄養不足の状況を察知した体は筋肉から栄養分を分解して利用するようになります。そうなると、筋肉をつけるために行っているのに、逆に筋肉が減ってしまうという状況に陥ります。
健康のために「糖質制限」とよく言われますが、筋トレをする際にはタンパク質とともに十分な糖質の補給も必要となります。糖質を多く含む食品には、穀類・芋類・根菜類・果実類・甘味料などがあります。
筋トレの効果を高めるにはタンパク質や糖質が注目されがちですが、ミネラル分も必要な栄養素になります。
カルシウムやマグネシウムはよく知られたミネラルですが、これらが不足すると筋肉のけいれんが起こることがあるため、筋トレする際に重大な影響が出ます。骨にも影響のある成分なので、これらが不足すると骨を弱くする危険があります。
筋トレ中にはミネラル分が汗によって失われますが、その代表であるナトリウムについては、失われることによって運動機能の低下を招くことがあるという報告もあります。
さらに、カリウムというミネラルが不足すると脱力感が起こり、筋トレの持続力が弱くなります。
筋トレの効果を高めるには、食事などで摂取する栄養素の存在も大きいです。ここで取り上げたのは、タンパク質、ビタミンD、ビタミンB6、糖質、ミネラルという栄養素です。まず、超回復という作用により筋肉を増強し、筋肥大を得るにはタンパク質とビタミンDが必要となります。タンパク質が代謝するのを助けるのがビタミンB6です。筋トレで筋肉を動かすのに糖質は欠かせない栄養素です。筋トレ中にけいれんや運動機能低下を起こさないために、カルシウム・マグネシウム・カリウムなどのミネラルも不足しないようにしなければなりません。筋トレ中はプロテインを摂取される方が多いですが、それだけでなく普段の食事から摂れる栄養素についても見直しておきましょう。