牛肉を柔らかく調理するコツとは?

コラム

牛肉

同じ食べるなら、牛肉は柔らかいに越したことはありません。しかし、部位にもよりますが、硬い牛肉にあたることもあります。歯が丈夫ならまだしも、できれば硬さを感じないで食べたいものです。ここでは牛肉を美味しく食べられるよう、柔らかく調理する方法をまとめておきましょう。

牛肉を柔らかく調理するためのポイントとは?

牛肉を柔らかく調理するためのポイントは大きく分けて二つあります。一つ目としては「牛肉の筋繊維を壊す」というもので、これは牛肉を硬くしている筋繊維を調理の過程で破壊してお肉の硬化を防ぐというものです。

具体的には「包丁の背や肉叩き機などで牛肉を叩く」「包丁でスジ切りをする」「筋繊維が柔らかくなるまでしっかり煮込む」などの調理法があります。

また、二つ目に「お肉のpH値(酸性・中性・アルカリ性を示す値)を調整する」というやり方もあります。お肉が硬くなる原因の一つは水分が抜けていくことによりますが、pH値を上手く調整することでお肉の保水力を保て、筋組織をほぐす効果が出て柔らかくできます。

牛肉の場合は「コーラなどの炭酸水や重曹に30分ほど漬け込む」と、強い酸性か強いアルカリ性のどちらかに傾くため保水力が高まります。その後に調理する際は軽く水洗いをするのを忘れないようにしましょう。

牛肉を柔らかくするための玉ねぎの使い方は?なぜ柔らかくなるの?

牛肉を柔らかくするために玉ねぎを使う場合、まず玉ねぎをすりおろすことから始めます。ある程度細かくすりおろすだけでも構いませんが、繊維に対して垂直にすりおろすとなお効果的です。

次に、すりおろした玉ねぎに牛肉を30分~1時間漬けます。基本的に30分程度でしっかりと効果が表れますが、もし時間に余裕があるならば半日ほど漬け込んで下さい。

玉ねぎに漬けることで牛肉が柔らかくなるのは、玉ねぎにはタンパク分解酵素(プロテアーゼ)というものが含まれているからです。これにはタンパク質をアミノ酸に分解する力があり、お肉に浸透させるとその効果を発揮します。

また、お肉を硬くする原因の一つが筋繊維にあるのですが、玉ねぎの酵素はその繊維などを少しずつ破壊します。そのため、牛肉をすりおろした玉ねぎにしばらく漬けておくだけで、お肉の柔らかさやうま味が増すのです。

牛肉を柔らかくするためのはちみつの使い方は?なぜ柔らかくなるの?

はちみつを使うことで牛肉が柔らかくなるのは、はちみつに含まれる糖分の働きによります。糖分が牛肉の内部に浸透することで、肉のタンパク質が凝集するのを防ぎ、焼いた時に肉が硬くなりにくくなります。

また、加熱することで糖分と、牛肉に含まれるアミノ酸が反応し、褐色のきれいな照りが生まれる効果もあります。

さらには、はちみつには保湿性もあり、肉汁を内部に閉じ込める効果があるので、ジューシーな味わいに仕上げることもできます。このように、はちみつは味も見た目も美味しく仕上げる、一石三鳥の優れものです。

はちみつを牛肉に使う際には、牛肉の表面に薄く塗るだけで大丈夫です。薄く塗るだけなので、味が甘くなる心配もありません。塗った後はラップして、冷蔵庫で20~30分寝かせて下さい。

牛肉を柔らかくするための炭酸水の使い方は?なぜ柔らかくなるの?

牛肉を柔らかくするためには炭酸水に漬け込むのが有効です。これは牛肉のpH値が関係しています。

お肉のpH値は一般的に5.5程度で弱酸性を示します。これを酸性・アルカリ性のどちらかに強く傾けるとお肉の保水力が増し、水分を多く含んで柔らかくできます。

通常、お肉が元々持っていた水分は調理の過程でどんどん失われていき、それによって食べる頃には硬くなってしまいがちなのですが、pH値の変化で保水力が上がるとそれをある程度防げるのです。

このpH値を変化させるやり方として代表的でお手軽なのが、炭酸水に漬けるというもので、炭酸水を使った場合はお肉が強い酸性に変わって肉質が柔らかくできます。

炭酸水そのものでも構いませんが、コーラやビールといった炭酸飲料でも効果はあります。調理の前に30分ほど漬け込んでおくだけなのでやり方も簡単です。

牛肉を柔らかくするためのミートハンマーの使い方は?なぜ柔らかくなるの?

牛肉を柔らかくするためにはミートハンマーを使うのが有効です。ミートハンマーは先端にトゲトゲのある小さなハンマーです。これでお肉を叩くことで、お肉の繊維がほぐれて食べやすい柔らかさになります。

使い方は簡単で、お肉をまな板に乗せたら、ミートハンマーで上から何度も叩いてやるだけです。叩く際のポイントとしては、最初は軽い力でお肉全体をリズミカルに叩くようにしましょう。

お肉を満遍なく叩いた後、次にもう少し力を込めて叩き「筋切り」をすることが大事です。お肉の筋が残り過ぎた場合、仕上がりが硬くなってしまうので、ハンマーのトゲトゲ部分を使って筋を壊していきます。

ただし叩く力や回数も度が過ぎると逆効果で、壊れ過ぎた繊維やお肉から肉汁がどんどん出ていくなど、味を損ねる結果になってしまいます。

牛肉を柔らかく調理するコツについて

牛肉を柔らかく調理するためのポイントには「牛肉の筋繊維を壊す」「お肉のpH値を調整する」という2つがあります。牛肉を柔らかくするために玉ねぎを使う場合、繊維に対して垂直にすりおろした玉ねぎに1時間程度漬けて下さい。はちみつで柔らかくするには、薄く塗ってラップし、30分ほど冷蔵庫で寝かせて下さい。炭酸水を使った場合はお肉が強い酸性に変わり、保水力が増すことでお肉が柔らかくなります。ミートハンマーで柔らかくする場合、最初は軽い力でお肉全体をリズミカルに叩き、次に力を増し筋切りすることが大事です。食レポで「口に入れたら溶けるようなお肉」と表現するのを聞くことがあります。そのように高級なお肉でなければ、上のようなやり方で少しでも柔らかくして召し上がって下さい。

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