人の体はなんで浮腫むの?

コラム

浮腫み

皆さんは体のどこかの浮腫みに悩んだことはありませんか?浮腫みは皮下組織内での水分バランスが崩れることで起こりますが、美容にとっても健康にとっても決してよい兆候とは言えません。早く浮腫みの症状から脱出できるよう、浮腫みの原因や対策を考えてみましょう。

浮腫みって何?

浮腫み(むくみ)とは、血液中の水分が血管外にしみ出て、皮下組織に溜まる状態を指します。動脈から細胞間への水分流入が多くなったり、細胞間からリンパ液・静脈への水分回収が鈍ったりすることで生じます。

一口に浮腫みと言っても、体の左右両側に現れる「全身性」と、どちらか片側にだけ見られる「局在性」とがあります。

また指で数秒間押した後、暫く凹んだままの「圧痕性」と、跡も残らずにすぐに戻る「非圧痕性」という分け方もできます。

人間の体が浮腫む原因とは?

顔や腹部、脚など体全体に見られるのが全身性浮腫みですが、この原因には心臓、肝臓、腎臓などの病気があります。例えば心臓なら心不全、肝臓なら肝硬変、腎臓ならネフローゼ症候群、腎不全などといった病気です。他にも、甲状腺機能低下症、ビタミンB1不足、ステロイド系消炎鎮痛剤などが原因になることもあります。

体の一部に起こる浮腫みの原因には、静脈血栓症、リンパ管炎、アレルギー、蕁麻疹などがあります。

特に体に疾患が無い健康な方でも浮腫みは起こります。その原因の一つが筋力の低下です。筋肉が弱ってくると、筋肉が収縮して周辺の水分を静脈に戻す力が弱くなり浮腫みにつながることがあります。

また、皮膚の張りが弱いことも原因となります。加齢などで皮膚に張りが失われてくると、細胞外にあふれ出た水分を毛細血管に戻す圧力が弱まります。それが浮腫みにつながることになります。

浮腫んでいる状態が長く続くとどうなるの?

浮腫みは加齢、過労、ストレス、お酒の飲みすぎなど、病気以外の原因によって起こる場合もあります。しかし、「浮腫みは病気のサイン」と言われるように、長く続く浮腫みを放置しておくのはよくありません。

全身性の浮腫みの場合、うっ血性心不全、腎不全、肝硬変など、重大な病気が潜んでいることがあります。体の片側あるいは一部のみに見られる浮腫みは、深部静脈血栓症、慢性静脈不全などの病気になっている場合があります。

体内での水分は細胞へ栄養を運んだり、老廃物を除去したりという大切な役割を持っています。水分のバランスが程よく保たれなければ、細胞と細胞の間にどんどん水が溜まります。その結果、血液の流れも悪くなり、これらの病気を引き起こす原因となるのです。

浮腫んでいる場合はマッサージが効果的って本当?そのやり方は?

女性の悩みに多いとされている足の浮腫みにはさまざまな原因があります。冷たいものを多く摂取している、水をあまり飲まない、お酒をよく飲む、あるいは運動をあまりしない、といった方に多く出るようです。

この足の浮腫みには一過性のものと慢性のものがありますが、一過性の浮腫みの場合はマッサージが効果的です。自身で足のすねを足首から上に向けてさするといったことや、足首から膝の裏に向けてふくらはぎをゆっくりとさするといったマッサージを数分行うことが効果的だと言われています。

他にも足裏の湧泉というツボや、三陰交・足三里というツボを数回ジンワリと押すといった指圧も効果的です。特にふくらはぎは第2の心臓とも言われるくらい体内循環に大事なポイントです。日々のケアをすることで浮腫みを解消しましょう。

また、浮腫みはリンパ液の流れが悪くなることも原因になると言われています。リンパの流れをよくする「リンパドレナージュ」という施術をする店舗もあります。

こういった対処法でなかなか効果が出ない慢性の場合は、心臓疾患などの病気が原因となっていることもあります。この場合は早めに医療機関に診てもらいましょう。

浮腫みを予防するための食べ物はどんな物があるの?

重大な病気が原因でない浮腫みの場合、食事で予防することもできます。その場合に必要な栄養素の一つがカリウムです。カリウムは細胞内外の水分量を調節するのに大切な栄養素です。カリウムを多く含む食品には海藻、果物類、アボガド、キノコ類などがあります。

水分排泄を促すビタミンBやビタミンCも効果的です。ビタミンB1が不足し脚気になると、一つの症状として浮腫みが起こることもあります。ビタミンB1は豚肉、玄米、枝豆、豆腐などに多く含まれています。

脂質の代謝を助けるビタミンB2はうなぎ、卵、ほうれん草、納豆などに、アミノ酸合成を助けるビタミンB6は赤身肉、ささみ、バナナなどに多く含まれています。また、ビタミンCは果物や野菜類などに多く含まれています。

必要となる栄養素の摂取も大事ですが、塩分や水分の摂り過ぎも控えなければなりません。特に塩分の多いインスタント食品を摂り過ぎないようにしましょう。

浮腫みになるわけ

浮腫みは血管外に水分がしみ出し、皮下組織内に溜まるという現象です。全身性の浮腫みの場合、心臓・肝臓・腎臓などの病気が原因になることがあります。また、体の一部に生じる浮腫みの場合、静脈血栓症などの病気が原因になることがあります。
浮腫みは特に疾患の無い方でも起こる症状ですが、長く続くようなら早めに医療機関で診てもらう必要があります。軽度のものなら足のツボなどのマッサージで解消することもあります。
どのような病気の対策にも有効ですが、カリウム、ビタミンB、Cなどを含めたバランスのよい食事は大事です。また、食事の栄養バランスだけでなく、お酒は控えめにし、適度な運動も取り入れて浮腫みに悩まされない日常にしましょう。