コラム
皆さんは冬に太るのが気になりませんか?冬は屋外での活動がそれ以外の季節より少なくなり、その結果カロリー消費も減ります。しかし、本当に冬は太りやすいのでしょうか?太り過ぎやむくみが気になるこの季節を、どう乗り切ればよいのかを考えてみましょう。
人間の体は冬に脂肪を蓄えやすくなる傾向があります。本来、寒い冬は基礎代謝が上がり脂肪の燃焼も促進されるのですが、その一方で燃料となる脂肪を多く蓄えようという働きも起こります。内臓の温度を下げないためにたくさん食べて脂肪を身に付け、それで体温を保とうとするのです。
また寒くなると室内で過ごす時間が増えるため、自然と食事量も増えます。食事量が増えるのは、暑くて食欲が落ちてしまう夏場の反動が、冬場にちょうど現れるからであるという説もあります。
イベントなどでのカロリー摂取量が増えやすい一方、寒くて運動量が落ちてしまいがちなのも冬の生活の特徴です。運動不足になると消化器官の働きも落ちてくるので、消化しきれなかった食べ物がやはり脂肪という形で体に残ってしまいます。こうしたことから冬は脂肪を蓄えやすい時期と考えられます。
寒い冬は体温維持のための基礎代謝が上がる時期で、夏の10%以上も上がるとも言われています。また、冬は脂肪をエネルギーとして燃焼する褐色脂肪細胞が、夏の時期の5倍以上になるとも言われています。
従って、食べ過ぎを防いで寒さに負けず外へ出ることを意識すれば、冬の太りやすさは防ぐことができます。
しかし、冬は忘年会、クリスマス、お正月、新年会などのイベントの多い季節です。これらのイベントではケーキにチキン、おせち料理にお雑煮、家族や友人、同僚との飲食が増えることにより、必然的に摂取カロリーが増えることになります。
また、冬は寒さに伴う運動不足によりカロリー消費が減る季節です。さらに寒くなることによる血行不良により新陳代謝が下がります。そのためカロリーの消費が少なくなることも太る原因となります。
冬にむくみ(浮腫)が起きやすいのには、主に2つの原因が考えられます。1つは運動不足です。
寒い冬場は外で体を動かすのが億劫になり、運動不足になりがちです。運動不足になると、下半身(特にふくらはぎ)の筋肉の動きが低下し、それが血行不良を招きます。そして、本来は排泄されるはずだった老廃物が溜まりやすくなり、むくみにつながります。
2つ目は水分不足です。冬は汗をかく夏場よりも水分摂取が少なくなる傾向があります。水分が少ないと、運動不足と同様に血行不良に陥りやすくなります。
また、乾燥した空気などにより体の水分が失われると、これ以上失わないようにと、体が水分を蓄えようとします。その水分蓄積がむくみを発生させるのです。
「夏痩せ」「正月太り」といった言葉がある通り、一般に冬は夏と比べ体重が増えやすい季節だと思われています。しかし実際には、ダイエットをするなら冬の方が適しているのです。その理由は基礎代謝にあります。
人間は特に意識しなくても、常に心臓を動かしたり、呼吸したりするのにエネルギーを消費しています。これが基礎代謝ですが、体温を維持するのもそうした活動の一つです。
特に気温の低くなる冬場は体温を保つのに、より多くのエネルギーを必要とするため、結果的に基礎代謝も上がるのです。それに比べ気温の高くなる夏は、冬ほどに体温の維持にエネルギーを使う必要がありません。即ち、夏は基礎代謝が低くなります。
一方、夏には発汗量が増えることもあり「痩せやすい」というイメージがあります。しかし、汗はあくまで体温の上昇を防ぐために分泌されるものに過ぎません。エネルギーを消費している訳ではないので、厳密には痩せたことにはならないのです。
恒温動物である人間の体には、周囲の気温の変化に関係なく、体温を一定に保つ機能が備わっています。冬に基礎代謝が上がるのも、夏に発汗量が増えるのもそのためです。
冬に痩せやすい体を作るために、ちょっと薄着でいた方がよいと言われています。その理由は、「冬は基礎代謝が高くなる」という点が関係しています。
冬は体温維持のために基礎代謝が活発になりますが、その寒い冬にあえて薄着になることで基礎代謝はさらに加速します。
寒くなると冷たい外気から体を保護するために厚着をするのが普通ですが、ダイエットという観点から考えるとそれは効果的ではありません。
むしろ外気に肌を晒して体の表面温度を少し下げることで、基礎代謝は活発になり体内の余分な脂肪が燃焼され、痩せやすい体へと変わっていきます。
ただし冷やすのはあくまでも体の外側だけにしなければいけません。冷たい飲み物をたくさん飲むなどして体の内側から冷やしてしまうと、風邪をひいてしまったり、低体温症になったりしてダイエットどころではなくなります。
冬は体温維持のためにたくさん食べ、脂肪を身に付けます。年末年始はイベントが多いこともあり、大量のカロリーを摂取することに加え、運動不足にもなりがちです。そのため冬はどうしても脂肪を蓄えやすい季節であると言えます。
また、冬にむくみやすいと考えられる理由には、運動不足と水分摂取量の減少が考えられます。ただ、冬は気温が低くなるので体温維持のためのエネルギーが夏以上に必要になり、基礎代謝も上がります。従ってダイエットにはむしろ冬の方が適しているとも考えられます。
冬は防寒のため厚着になりがちですが、1枚減らして薄着で過ごしてみて下さい。基礎代謝がさらに加速し、冬でも痩せやすい体になります。
以上の点に注意し、スッキリした体で春を迎えられるようにしましょう。