コラム
渋味と同じように辛味も基本味の5つの中に入っていません。これは味覚ではないということでしょうか?ではどうして私たちは辛い物を食べた時、「辛い」と感じるのでしょうか?辛味をもたらす成分、辛味を含む食材、そして辛味を感じる理由について調べておきましょう。
人間は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味という5つの味覚を感じるようになっています。しかし、渋味はこれらと異なり味蕾を構成する味細胞によって受容されることは確認されていません。
渋味に関しては、辛味と同じように痛覚や温度覚で感じ取っているものであり、タンニンなどの成分が、口腔内でタンパク質を変性させることで組織や血管を縮める収斂作用を行うことによって、苦味に近いようなものを感じさせているのです。
口内での反応はあまりよいものではないため、渋味を感じる成分は苦味や酸味と同様に体に悪いものではないかと思われます。
もちろんそういった面もありますが、成分自体は体の健康にもよいことが多々あります。タンニンやカテキンなどといった渋味成分がありますが、これらの成分は抗酸化作用や抗がん作用、殺菌作用などといった健康効果を期待できる部分を豊富に含んでいるのです。
辛味をもたらす成分としては唐辛子のカプサイシン、胡椒のピぺリン、山椒のサンショオール、生姜のショウガオールがあります。
これらは口の中でカーッと熱くなる感じがするホット系の辛味成分で、辛さを感じるのは遅いですが、辛さが持続するという特徴があります。
辛味をもたらす成分には他にもガーリックのジアリルジスルフィド、マスタードのP―ヒドロキシベンジル・イソチオシアネート、ワサビのアリル・イソチオシアネートがあります。
これらはツーンと鼻に抜けるシャープ系の辛味成分で、辛さを感じるのは早いですが、辛さは余り続かないという特徴があります。
辛い物は得意だという方の中に、「唐辛子はガンガン行けてもワサビはすぐにダメになる」という方もいますが、これら二つは辛味成分も辛さの特徴も異なるので当然と言えます。
辛味を含む食材としては、唐辛子、胡椒、山椒、生姜、ガーリック、からし、ワサビなどがあります。
唐辛子の辛味成分のカプサイシンは、血の巡りをよくして発汗を促し、新陳代謝を促進させるため、ダイエット効果があるとされています。ただし、摂り過ぎると肝臓や目の不調につながる場合もあります。
日本では伝統的にワサビ、大根、ネギ、生姜などの辛味を持つ食材が積極的に利用されてきました。ワサビには辛味成分のアリル・イソチオシアネートが含まれていますが、栄養素としてカリウム、カルシウム、ビタミンCなども多く含まれています。そして、抗菌作用、消臭作用、抗酸化作用、抗がん作用、美肌効果も期待できます。
辛味成分を人間が感じると言われていますが、実際には味覚で感じているのではなく、痛覚で痛みを感じているため、基本味とは別のものとされています。
辛い物を食べると「口から火が出るような感じがする」などと表現します。これは辛味を熱さや痛さで感じているためです。
本来は熱を感じる部分であるところであるポリモーダル受容器という部分に、辛味成分が反応することによって、実際は熱がないにもかかわらず熱を感じてしまいます。
また、それと同時に痛みを感じるのですが、この時に痛みを感じる理由としては、熱い温度というのは生命の危機を感じる場合もあるので、痛みを与えることで危険を体に教えていると考えられます。
ただ、本来は熱や痛みに対する反応であるといっても、食べている人からすれば実際に熱いという風に感じているわけではないのです。
食べた後に残る痛みによって、舌がヒリヒリする感覚は分かるので、「熱い」ではなく「辛い」といった表現を示しているのです。
渋味は痛覚や温度覚で感じ取っているもので、タンニンなどの成分が口腔内で、組織や血管を縮める収斂作用を行うことによって、苦味に近いようなものを感じさせているのです。辛味についても熱さや痛さで感じているもので、これら渋味や辛味は舌で感じる味覚とは別物と考えられています。
辛味のある食材には、唐辛子、胡椒、山椒、生姜、ガーリック、からし、ワサビ、ネギ、大根などがあります。その辛味成分には、唐辛子のカプサイシン、胡椒のピぺリン、山椒のサンショオール、生姜のショウガオール、ガーリックのジアリルジスルフィド、マスタードのP―ヒドロキシベンジル・イソチオシアネート、ワサビのアリル・イソチオシアネートなどがあります。唐辛子には、血の巡りをよくして発汗を促し、新陳代謝を促進させるため、ダイエット効果が、またワサビには抗菌作用、抗酸化作用、抗がん作用、美肌効果などが期待できます。
「辛い物は癖になる」とよく言われます。しかし食べ過ぎはよくないので、適度の刺激としていただくようにしましょう。