コラム健康
子どもが食事をする時、親は「よく噛んで食べなさい」と注意することがよくあります。その光景を経験してきた人も多いのではないでしょうか。しかしなんで「よく噛む」ということが大事なのか説明できますでしょうか?よく噛むことで消化を助けるといわれるのはなぜなのか、またそれ以外にもあるメリットを詳しくご説明していきます 。
よく噛むことは消化吸収されやすくなるだけでなく、いくつもの効果があります。では子どもが食べ物をよく噛み、噛む力をつけるのはなぜ必要なのでしょうか?噛むということに関して考えてみましょう。
子どもの噛む力が必要な理由はいくつもあります。そのうちの一つが、噛むことによりあごが発達するということがあります。噛むことであごの骨が丈夫になり、歯並びもよくなるのです。
噛むことが増えれば唾液の分泌も増えます。唾液には食べ物を消化吸収しやすくする酵素が含まれており、それにより食べ物を栄養素として効率よく吸収することができるのです。さらに唾液により口の中が適度に掃除されます。これはむし歯の予防につながります。
また、よく噛むことで脳が刺激され、血流が活発になるため脳も活性化します。そのため脳の働きがよくなるのです。同時に脳内には緊張を和らげる物質が増え、気持ちが落ち着き集中力が高まります。
食べ物をよく噛むと満腹感が適度に得られます。満腹感があると食べ過ぎは無くなり、肥満の防止につながります。
さらに噛めばあごだけでなく頭蓋骨全体がバランスよく成長します。表情が豊かになり笑顔が素敵に見えます。
このように「よく噛んで食べること」にはたくさんのメリットがあるのです。
歯の悩みとして常に上位にある歯並びですが、子どもの歯並びには噛む力が大きく影響していることをご存知ですか?乳歯のうちから噛む力を意識することできれいな歯並びに近づけるかもしれません。どのようなことに注意すればよいのか、しっかりチェックしておきましょう。
食生活の変化により、昔に比べて柔らかいものを食べるようになったため、子どもの噛む力が弱くなっています。昭和初期と比較して、食事にかける時間・咀嚼回数が約半分まで減少しているという報告もあるほどです。噛む力が弱いと顎の骨が小さくなってしまうので、歯並びにも影響します。子どもの時から正しく噛む習慣をつけることで、よい歯並びにつながります。物を食べるときによく噛めば、歯並びの土台でもある顎の骨が大きく丈夫に育ちます。また、噛むときに足が床につかない状態だと、おなかや背中に力が入らず姿勢が悪くなり、噛む力が弱くなってしまいます。足の高さに合わせた踏み台を置いたり、高さの調節できる子ども用の椅子を使うとよいでしょう。乳歯のうちから正しい噛み方を身に着けることできれいな歯並びに近づけます。また、永久歯が生えた後でも、噛むトレーニングをすることで歯並びが改善した例もあります。
よく噛むことにより得られるメリットはいくつもありますが、唾液の分泌が増えるというメリットもあります。では噛むことで増えた唾液にはいったいどのような役割があるのでしょうか?唾液の様々な役割について取り上げてみましょう。
よく噛むことにより得られるメリットはいくつもありますが、唾液の分泌が増えるというメリットもあります。では噛むことで増えた唾液にはいったいどのような役割があるのでしょうか?唾液の様々な役割について取り上げてみましょう。
人間の唾液は、主に耳下腺、顎下腺、舌下腺の3大唾液腺から分泌され、その量は健康な成人で一日1.0~1.5ℓといわれています。食事の際によく噛むと、これらの唾液腺が刺激され多くの唾液が分泌されるのです。
その唾液の役割は酵素アミラーゼがでんぷんを分解し消化しやすくするだけではありません。
唾液には食べ物のカスや歯垢(プラーク)を洗い流す自浄作用があります。また口中の細菌の増加を抑え、むし歯予防につながります。
粘性のあるムチンが粘膜を保護し、発音が円滑になります。口の中は傷がついても早く治ります。これは唾液に粘膜修復作用があるからです。
その他にも唾液には有害物質を希釈したり、味覚の感覚を助けたりするといった役割があるのです。
噛むことと子どもの脳の発達には何か関係があるのでしょうか?噛むことが脳に及ぼす影響について考えてみましょう。
たくさん噛むと脳が刺激され血流が活発になり、その結果脳も活性化されることは以前からいわれていました。脳の中では前頭前野という部分や海馬を始め様々な部分が活性化されます。このうち前頭前野は情報の統合力、判断力、集中力など、社会生活を営む上で大切な働きをつかさどる領域です。また海馬の活性化は記憶力アップにつながります。
例えば前頭前野の発達が悪ければ、物事を計画し判断して行動することが難しくなります。突然キレる子どもが増えていますが、これは前頭前野の発達が悪いか、機能が低下しているからだと考えられています。
他にも、噛むことにより脳内に緊張を和らげる物質が増えます。これにより気持ちが落ち着き、集中力や記憶力も高まります。
また、よく噛めば顔の筋肉が発達します。その結果、言葉がきれいに発音でき、顔の表情も豊かになります。
以上のように、噛むことと脳の発達には深いつながりがあるのです
子どもが食事の時にしっかりと噛む習慣がつけば、たくさんのメリットがあるとされています。では子どもが噛む力を鍛えるのにおすすめの方法はあるのでしょうか?子どもが噛む力を付けるための方法について少し考えてみましょう。
子どもに噛む力がつくと、脳の働きがよくなるなどのメリットがあります。噛むという行為は、食べ物をかみ砕いて消化しやすくするという、人間が生きていくうえでも大事なことです。体が発達する幼いうちに、噛む習慣を身につけることはとても重要です。
噛む力を鍛えるには、2~3歳の頃はりんごなどの少し硬めの果物を食べさせるようにします。噛むということがどういうことかをこの時期に覚えさせます。幼児期に上手に噛めるようになれば顎が発達し、歯並びもよくなります。
4歳の時期になるとおせんべいのように、パリッとはじけるような物を食べさせます。一度や二度噛むだけでなく、細かくなるまで噛ませます。食べ物を口に入れたら、30回噛むようにすればよいとされています。噛む回数も意識させましょう。
飲み込む心配が無ければガムやグミを食べさせるのも噛む力を鍛える一つの方法です。誤飲の心配がなくなる年齢では噛み砕かないと飲み込めないようなビーフジャーキーもおすすめです。
噛む能力がつくのは個人差があります。無理をして噛むことに抵抗ができないよう注意してください。もちろん片方の歯だけで噛むという習慣は付けないようにした方がよいです。
これらのことからおわかりいただけたと思いますが、噛む力を鍛えることはとても大切ないことです。無意識にでもよく噛むという習慣は小さい頃につけておくのがよいとされています。
噛めば噛むほど柔らかくなって味が出てくるビーフジャーキーは実は噛む力を鍛えるのにもおすすめです。日頃のおやつにビーフジャーキーを取り入れてみてはいかがでしょうか?